八重の桜・第10話

八重の桜・第10話の感想です。
今回は「池田屋事件」。
このサブタイトル、ノベライズだと「象山の奇策」だったんですよね。池田屋の方が人が呼べるということで変更になったのかしらん?

でまずは池田屋じゃなく、その「象山の奇策」の方ですが。
私的にはこれがまったく奇策に思えず。「そうだよそれだよーーー」と、なんだか求めていた解決策がここに!みたいな感じがしました。
まあ帝を彦根にとかは「さすがに奇策!」とビックラこきましたが、「帝に鶴の一声を発してもらって、開国=公武合体」なんて、そうだよなぜそれを今まで思いつかなかったんだろう♪と。私は倒幕とか好かんぜよなのでね~ 今まであったものを急激に壊すとバランスが崩れるから。
てかたぶん、これは井伊直弼の時にやるべきだったのよね。安政の大獄以降の流れは、帝を無視して開国しようとしたからこじれたって面もあったわけで(加えて将軍後継のゴタゴタもあったのでしょうが)
しかし、そんなこた井伊さん自身もわかってたはず。じゃあなんであの時あえて独断で条約結んじゃったのか。それは帝がガチガチの攘夷論者で、それを翻すべく説得して詔をいただいて・・・なんて、そんな悠長なこと、異国が鼻先にピストルつきつけてイエスかノーか言ってるこの時にやってられっか!今は事後承諾でいい!
っていう考えだったのだろうと思います。そう判断したのは井伊さん自身の性格でもあったでしょうけど、加えてこの時は幕府の力をまだ信じられたから強気に出られたという(それで失敗した安政の大獄以降は、決定的に、坂道を転げ落ちるように力を失っていくわけですが)。
てことは、「帝から鶴の一声」をもらうという「象山の奇策」は、この時でも決して簡単なことではないんでしょうけど。けどまあ今は黒船が返事は返事はとせっついてるわけでもないし、井伊さんの時よりは説得にかける時間もあるはず。何より「公武合体」これが一番平和的じゃないのかと。そんでだんだん、だんだん、変わっていけば。
ああそうなる可能性もあったのかな~。そうしたら日本はどうなってたかな~?銀魂みたいに異国の傀儡になってたかしら?

江戸マンガ家の杉浦日向子さんが、個人的大好きマンガ「合葬」の中で
「維新は実質上、維新(これあらた)なることはなく
 末期幕府が総力を挙げて改革した近代軍備と内閣的政務機関を
 明治新政府がそのまま引き継いだに過ぎない。
 革命(revolution)ではなく復位(restoration)である。」
と書かれていたのがすごく印象に残っていて。
もしそうなら、あんなふうに倒幕する必要はなかったじゃないかと、どっかでずっと思ってたんですよね。

さてそんなわけで私的に目玉だったのは「象山の奇策」でしたが、サブタイにもなった目玉「池田屋事件」の方は?
歴史好きなダンナいわく「これで維新が1年遅れた」とのことらしい池田屋事件ですが、その歴史的意義はまったく知らず、池田屋事件と言えば「銀ちゃんとヤスが階段落ちした」である私としては今回の注目ポイントは2つすなわち「階段落ちはやるのか?」そして「ドラゴンアッシュは大丈夫か?」

まず階段落ちは、やってた!やってたことにビックリ!
池田屋に階段落ちって、時代劇ではそれほど欠かせないものだったのかと驚きました そういや沖田も血を吐きながらやってましたが、これももう池田屋ときたらこれ出さないと、なネタなんでしょうか?面白いな~。
そして「階段落ち」ならぬ「階段飛び」だったことにもビックリ!できればその後、階段をよじ登って欲しかった しかしそうなったら、やっぱり階段の上には林権助にいてほしいしな~♪ともあれ「鎌田行進曲」の感動から30年、「リアル階段落ち」を見れてよかったです

一方ドラゴンアッシュは!?ドラゴン初のセリフ&初の殺陣、しかもそれがけっこう見せ場っぽいシーンというわけで、俄然高まる期待と不安
とドキドキして見た感想は、イケてる大丈夫!
ノベライズではこの見せ場シーン
「覚馬に向かって斬りつける、と思ったら実は覚馬の後ろにしのびよってた敵を斬り倒す(というベタ)。そして「隙だらけだ・・・」と吐き捨てる」
といった具合になってて、読んだ瞬間頭の中には、斬り捨てた後に横向いてツバの1つも吐きながら「スキだらけだぜ・・・」とかクールにキメる斎藤さんが浮かびまくりだったんですがTV版の斎藤さんもよかったです。なんかほんとに「あ、これ狂犬だ」という手に負えない感が伝わってくるというか、ヤバい奴らを味方にしちゃったかもという覚馬たちの背中を伝う冷や汗を感じるというか。

この事件で、「会津の酒はうまいねー♪」と、松蔭とグビグビ呑みまくってた宮部さんも死んじゃって、象山いわく「今、会津のものなど連れ歩いては、かえって命が危ない」という状況になってしまった会津藩。
上の立場=会津藩に肩入れしながら見る側としては、「何勝手なことしてくれちゃってんの!!!」な描き方の新撰組でしたが、しかし後には斉藤をして「容保公あっての新撰組。だから自分は会津に残る」と言うほどの信頼関係になるわけです。決して後で出てくるあの腹黒公のように、トカゲの尻尾切りはしなかったのよ
と同時に、下(=現場)の立場=新撰組から池田屋事件を見ると、これはこれで納得だなという描き方でもありました。上の立場と現場の立場とじゃ、考え方も取るべき手段も変わってくるのはよくあることですもんね。見てるとこ=目的が微妙に違うから。「今ここでやらないでどうする。その後もっと大変なことになった時に命を張るのはこっちなんだぞ」っていう現場の自負が、「今ご到着ですか」とか「我らも命がけだ。お手前らのように悠然と構えていては敵に逃げられる」といった土方の言葉に現れてて、説得力ありました。と同時に狂犬のヤバさも
これは新撰組に限らず、そもそも国家で軍隊を持つっていうのがそういう「諸刃の剣」な側面を持つんですよね。だからシビリアンコントロールっていうのが重要で。太平洋戦争ではそこら辺の「統帥権」がビミョ~な位置づけで、結果的に池田屋事件みたいな「事変」が頻発してしまったのだと思ってます。

しかしこれ決して秋月のせいじゃないと思うんだけど、このせいで秋月追放。「誰かが責任を取らなきゃいけない。誰でもいいんだ」という戦メリのような日本的論法&「下っ端が公用方でブイブイ言わせて(←死後)目障りな」という嫉妬のもとに。
ああ下手打っちゃったな~~ 池田屋事件はもう「起こったことは仕方ない」って感じだけど、秋月追放は単なるメンツの問題で、てことは避けようと思えば避けられただけに、ほんとに失敗しちゃったな~と思います、結果論ですけど。

そして国許でも同じ思いに苛まれる人が。
おおこんなに熱い尚さん、初めて見ました いっつも飄々としてる尚さんなだけに、それがとても驚きで、と同時に「やっぱりこの人は基本、熱い人なんだな」と視聴者に再確認させ。
しかし思えば「ハートに火が着いたから勝手に会津に来ちゃいました(テヘペロ」という人でしたもんね。後に斗南藩で皆の窮乏を見過ごせず、危ない橋を渡ることになるのも、隠し持った熱いハートがなせるわざという感じで納得な気がしました。さらに今回の描写で、斗南藩まで命運をともにしたのは、もしかしたら「自分の作った新式銃がもっと普及していたら」という後悔があったのかも、とも思わせ。
その尚さんを一生懸命なだめる八重ちゃんもよかったですね~~♪ていうかこの2人はもうこの時点で夫婦ですね ケーキカットなんてしなくていいくらい「お二人最初の共同作業です」をもうずーっと続けていて、お互いなくてはならない存在だって、お互いわかってるんですもの つくづく履歴書テンコ盛りで後妻におさまる話がパーになってよかったと思います

余談ですがこの縁談話のシーンで、うらさんがすっかり「家族の一員」として馴染んでる様子なのがまたよかったですね♪ささいなシーンですが、自分も嫁なもんで、こういう描写はうれしいです
そして日向ユキはなんなのだ 八重と時尾の「女の友情」シーンでも存在感発揮してましたが、お笑い要員なのか?でも寒いぞ

女の友情シーンはよかったですね~♪ こういう「実はあなたがうらやましかった」という感情の行き違いって、キャンディ・キャンディの「キャンディはずっとそうだった!ポニーの家でも私より先生たちにかわいがられて」というアニー・涙の訴えとか、「頼むから俺を羨んでるなんて言わないでくれ。あんたのようになりたかったのは俺なのに」という、死んでしまった兄への思いに荒れ狂うヒース@カリフォルニア物語とか、描き方によってはそれだけでワンテーマになる、少女マンガの定番ですが、八重ちゃんたちは2人ともそれほど屈折してないせいか大人なせいか、あっさりしてて後味よろし。というかやっぱり全体的にあっさりテイストなんだろうかな~このドラマが。橋田スガコ先生だったら、ものすごい罵りあいの後に和解を描く気がします それはそれでいいですけど。

それからもう1コ、乙女心(?)をくすぐる二葉ちゃんのシーン♪
八重の噂話をなんとか逸らしたいブロークンハート大蔵が「都見物は?」と姉に聞いたら
「行くわけないでしょ!私は遊びに来たんじゃないですから旦那様のために来たんですから」
と、良妻であることを自己アピール しかしその後サバけたダンナに
「今度遊びに行ってみるか」
とあっさり言われると、あくまでもマジメに「わかりましたあなたが言うなら行きます」と貞淑な妻アピール しかしその後、自分だけになると「何着てくべ」とけっこう楽しみにしたりして♪
かっかわゆい~~~ けど二葉ちゃん、自己アピールの仕方間違ってるよ 「何着てくべ♪」の方をダンナに見せなきゃ~~。こういう、自分が有能な男だってことに万全の自信を持ってるっぽい肉食系ダンナは、こんな貞淑な妻持ったら、重いの半分「家庭は任せて安心」半分で、平気で浮気することに史実ではなってるから  いやまあ今とは時代も違うし、決して世のすべての肉食男子がそうだってわけじゃありませんが しかし梶原さん、どうでもいいけど無駄にギラギラしてる人に見えるのは気のせいかギョロ目のせいか??

そして今回も安定のヘナチョコぶりを見せる慶喜公
「ほんの一月ばかり前、命を捨ててともに都を守ろうと仰せになっ(て守護職をやめさせないようにし)たお方が、どの口であのようなことを」
というセリフが、まさにそのとおり~~~って感じでした。ど~~も私的に慶喜って「ここぞって戦で兵を置き去りに敵前逃亡した大将」、この1点だけでど~にもぬぐいがたいヤな印象がず~っとあるもんだから、どうしても良く思えないのよね~
確かに今回は、殿の強硬路線より「嘆願に来たものを討つのはどうか」という慶喜の言うことの方に一理あるとは思うけど、でも「会津の戦にはつきあえぬ」って単なるトカゲの尻尾切りじゃ~~ん。何の痛みもなくそれできる人が言う「ともに命を捨てて都を守ろう」ほどハラ立つものはなし
「会津のためじゃなく、都を守るために今までやってきたのだ。このこと帝だけはわかってくださるはず・・・」
という殿は、まるで孤立無援の子供のようで、哀切すぎました ハタで見ている神保修理も辛かったでしょうね つくづく帝にはもうちょっと長生きしてほしかったと思います。

おっとそれから忘れちゃいかん(忘れてた)、オダギリ襄がついに登場!
この人は濡れた子犬の目なせいか、密航でオドオドしてる様子がとってもハマってました
しかし彼が見た函館の町の灯=「さらばニッポン」の夜景は、TV見てるだけでもグッと来ましたね~。船出ってなんだか独特なんですよね♪私なんか、佐渡汽船で遠ざかる新潟港とか見てるだけでもセンチメンタルにひたれるという(お手軽
佐渡汽船ですらそうなのに、この人なんか「異国へ」しかも「密航して」なんてよく決心したもんだと。しかも行った先でも、本人の努力はもちろんでしょうけどいい人に出会って。運と度胸と努力才能が結実した人でしたね新島襄は(惜しむらくは、ちょーっと早死にだったけど) 

次回はその名も「守護職を討て!」
ついに長州との決戦の火蓋が!そして山本家でもいよいよ三郎が!さらに素晴らしい「奇策」を持っていたあの象山が!
象山がここで死ななかったら、幕末はどうなってたんでしょうね?これまたつくづく、もうちょっと長生きしてほしかったと思います。
そして古谷一行息子に引き続き、期待と不安が高まる工藤選手息子・三郎くん 当時の男の子気質を伺わせる描写が楽しみです。どうかドラゴンアッシュみたいにカッコよく、ハマって見せてくれますように♪
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コメント

こんばんは。
池田屋事件ってのがフォーカスされると会津も新撰組もどっちも好きな俺としてはどのような描き方をしても正直、後味の悪いものになってしまいます。過去の大抵の脚本(新撰組目線)は新撰組の再三の要請に会津が動かず遅参するってのが定石となっておりましたが今回はちょっと違いましたね。宮部さんもたいていもっと悪人面ですし。余り脚色も濃くなく良かったです。
実際のところは知る由も無いですが俺個人としては新撰組が手柄を立てるためにわざと会津という大藩を動かさず相手に悟られないためにも少数で行動したと思います。まぁこんな憶測を申すほど精通してないですけどね。(これが秋月追放の原因って事すら知らなかったわけで)
登場人物の今後の行く末を感じさせる布石がてんこ盛りでちょっとばかし大変ですが鳥肌皆勤賞はこれからも続きそうです。

Re: タイトルなし

こんにちは♪
そうか~会津と新撰組って、どっちかが悪者になりがちなんですね。両方のファンには難しい関係ですね~、味方同志なのに;;
>新撰組の再三の要請に会津が動かず遅参するってのが定石
ああ~でもそれもアリな気がします。というかこういう歴史的イベントって、ほんと人により立場により色々な見方や言い分があって、けど、だからこそリアルという感じがしますね。そういう食い違いから、現場の混乱や切迫感、真剣さが伝わってくるような。
>新撰組が手柄を立てるためにわざと会津という大藩を動かさず相手に悟られないためにも少数で行動した
なるほど~!それも納得です。というか私なんて歴史の知識はsheyさんの足元にも及びませんが(私は秋月という人自体を知りませんでした(>▽<))、粛清しまくりといった、目的のためには手段を選ばず、そうして意志を強固に保つみたいな新撰組の性質を思うと、とにかく勝つ=結果を出すために、そういう手段を取るのも充分考えられるな~とか。
今回の大河ドラマも、sheyさんの見立てに近い描き方でしたね。いや~カッコよかったですよ新撰組&斉藤!土方のあのクールなセリフにしびれました♪今こんなテロ集団が実際にいたらヤですけど、TVで見る分にはね(^^;)
慶喜の言動とか、布石だらけでゾクゾクしてしまいました;;来週も楽しみですね~♪
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