「こづゆ」と「のっぺ」

東山方面もすっかり紅葉に染まった先週。
「秋と言えば新そばでしょう♪」と、久しぶりにおそば屋さんに行ったそば好き一家。
ついでに、メニューにあった「こづゆ」を初体験
「こづゆ」とは会津地方の郷土料理で、サトイモやレンコンなど具沢山の、煮物と汁の中間食。
もとは武家料理のメニュー「(小)重」と言われていますが、今でもお祝い事などの席には必ず出るという、会津では比較的メジャーな一品。
スーパーでも「会津の味」として、こうして手軽なパックになって並んでたりします。

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かねがね食べてみたいとは思いつつ、今のところ会津で冠婚葬祭の予定はないし、いきなり自分で作ってみるのも味的にキケンだし・・・と、「給食で出たよ。すげーうまかった!」というKKの言葉をうらやましく聞くだけだった今日この頃
しかし食べてみると、野菜の形状といい味付けといい、こ、これは「のっぺ」ではあるまいか!?!?

「のっぺ」とは新潟の郷土料理で、サトイモやレンコンなど具沢山の、煮物と汁の中間食。
もとの由来はわかりませんが、お正月などの席には必ず出る一品で、その位置づけもなんだか「こづゆ」と似ているような。

これは「トミーフード」再びか!?と、帰ってからまたまたネットで「こづゆ」と「のっぺ」を調べてみたんですが・・・

予想外に奥が深いぞ「のっぺ」と「こづゆ」!!

そもそも「のっぺ」は新潟の郷土料理でも何でもなく、ほぼ日本全国に分布しているらしく。
長浜や京都では、「のっぺ(のっぺい)」をうどんにかけて食しているという驚愕の食文化も。
しかしこれだけ広範囲にありながら、その発祥の地や時代はいっさい不明。
「とろみ」がつくあたり中国由来?では仏教と一緒に入ってきたのでは?だいたい「煮る」という料理法は昔はなかったはずe.t.c....
などの意見もあり、かなりジャングルの奥深くへ分け入らなければ真相がわからない様子。

けど確かに、これだけ似たような料理が、同じ名前で広範囲にあるってことは、もともとその土地にあったという「本当の意味での郷土料理」じゃなく「ある時代にぱーっと広まった流行料理」という気はしますね。なので「仏教由来」というのもアリな気も。全国に国分寺を作った時とかに、坊さん料理として一緒に広まったとかね。国分寺があったとことないとこで、のっぺの有無が分かれるなんて結果になったら、面白いんだけど

しかし問題は、会津の場合は名前が「のっぺ」じゃなくて「こづゆ」だってことです。
てことは、少なくともこづゆは「ある時代にぱーっと広まった」中には入ってないってことかしらん?それとも元は「のっぺ」だったけど、武家の作法で「(小)重」と書いたのが伝わったのかしらん?
そしてもう1つ、「ダシが干し貝柱」ってのもね。これは会津のこづゆならではな気が(もっともお蕎麦屋さんで食べたこづゆは、貝柱も入ってましたがそれよりシイタケの風味の方が強く「ああのっぺだな~」という感じでしたが)

などと思いながらこづゆを思い返してみると、のっぺと同じ味ながらも私的に「これはのっぺにはないなあ」と強く思ったのが、「干し貝柱」とともに実は「豆麩」。
そもそも私が「こづゆって食べてみたいな」と思ったのも、写真で見たちっちゃくまんまるい麩がコロコロ入ってる風情が珍しくて心引かれたからで。

で、思ったんですけど、これもしかして新潟の「とと豆」じゃないでしょうか?

とと豆ってご存知ですか?(私はまったく知らなかったんですけど
新潟ではイクラ(時に熱を加えて表面を白くさせたイクラ)を「とと豆」と呼ぶそうで、これをのっぺに入れるとか。
と言っても新発田や白根ののっぺには入ってなかったから、もっと海沿いの、おそらく鮭の採れる地域、或いはそれこそ武家とか裕福な家庭・料亭で、見た目と豪勢さを出すためにのっぺに入れたのでは、と思われるのですが。

で、こういう「とと豆」入りの新潟のっぺが会津の殿様のもとに入り、けど魚は基本「棒ダラ」のように煮物にして食べるという、海のない盆地・会津地方では、「この丸っこいのはなんだ?」「イクラっぽいけどこっちじゃ手に入らないから、いいや麩でそれっぽく見せちゃえ」という当時の料理人の知恵が受け継がれて、現在の「こづゆには豆麩必須」になったのでは??
と考えると「干し貝柱」の意味もわかる気が。豆麩ではどうしても出ない「とと豆入りのっぺ」の魚介風味を、これで補おうとしたのでは?(しかしだとすると、魚介ダシは他にもあるのにあえて貝柱を使うなんて、素晴らしいセンスの良さ
つまり会津の「こづゆ」は、新潟の「とと豆入りのっぺ」が直接の原型なのでは??

などと、新潟と会津を無理やりつなげたくて言ってる面なきにしもあらずですが
とりあえず、のっぺとこづゆを軽い気持ちで検索してみたら、のっぺをうどんにかけてるわ「とと豆」なんつー未知の新潟物産は出てくるわで、「お茶碗一杯のこづゆに実はこんなにも広い世界が」と驚いた、ある秋の日でした
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