ばーちゃんが病気になった時のこと

放射能による人間への被害・影響、みたいなのを思うにつけ、それと関係ありそでなさそで、時々思い出すのが、私の母ことばーちゃんが倒れた時のこと。
と言っても別にばーちゃんが放射能浴びたとか、そういう直接的な関係はまったくないので念のため

私の父ことじーちゃんが、ガンで亡くなる半年前頃。
もう病院で打つ手はなしとのことで、ほとんど寝たきり、食べられる物もほんとごくわずかになっちゃった自宅療養中のじーちゃんを、献身的に看護していたばーちゃん@77歳。
ついにこの冬、風邪と過労でバタンキュー。じーちゃんももうハタ目には「栄養失調&肺炎になっちゃうんじゃ!?」てくらいだったので、急患ということで急遽入院させていただき、今度はばーちゃんが自宅で寝たきり療養。
初めは「風邪と疲れだから、寝てれば治るだろう」と本人も私も思ってたのですが、めちゃ高熱!ってわけではないのに自力でトイレまで歩いていけない、そしてトイレに到着しても見えなくて座れないというほどの強力なめまいでフラフラ、常に吐き気で食べ物取れず、どころか水飲むだけで吐きそうに。
1週間近くたってもこのままなので、じーちゃんが入院してる総合病院で診てもらったんですが、脳外科でMRI撮っても原因わからず。
とりあえず脱水症状が怖いので点滴だけしてもらい、「めまいなら耳鼻科系かもしれないから」とのことで、日を改めて今度は耳鼻科へ。
確かにメニエールとかと似てる気もするし、耳鼻科で何かわかるかもしれないわね。幸い近所の耳鼻科は腕がいいことで評判だから。
と期待するも、やはり原因わからず。
とりあえず寝たきり療養を続けますが、とにかくめまいと吐き気で動けない、食べられない、飲めないと、どんどん体力が落ちていくのに加え、ここにきたらもう目の焦点が昔のテリー伊藤のようにあわなくなっていて、さ、さすがにこれはヤバイことになってない!?
で、再度総合病院を受診し、やっぱり点滴だけで終わりそうなところを
「いや前もそうしたけど症状変わらないから来たんです~。もう病院の往復すら辛いんです~。お願いだから検査入院だけでもさせてください!!!」
とばーちゃんと2人で必死に訴え
初めは「ベッドの空きが・・・」とか何とかしぶっていた病院側でしたが、ここにもう1人先生が登場!
「もしかしたら、フィッシャーかギランバレーかも」
と、何の呪文ですか?みたいな言葉をその先生が発した途端、状況好転!なんとかベッドも確保され、その場で入院させてもらえることに♪

この呪文、そんなわけで効果抜群でしたが、もちろん呪文でも漁師でもなく病名です。なんでも「難病」だとかいう
後に、大原麗子さんもこれにかかっていたと聞きましたが、その時はまったく聞いたことない病名で、それだけに「どどどどうなるんだろばーちゃんは」と不安でしたが。

今は病気についてはもちろん、薬1つ注射1本に至るまで病院の責任回避のために・・・もとい患者が納得するために説明してくれるのがいいところですね。
この先生も、専門的なことを気さくな口調で素人に講釈してくれて、その講釈がまた「へ~~~~~」と、すごく興味深く。
と言っても、その内容はほとんど忘れていて、以下に書くこともかな~りあやふやですが、ま大筋として(「面白~~~~い」と強烈に思ったことだけは覚えているのですが)。
先生が、メモ帖に落書きみたいな図を描きつつ、ベッド脇で井戸端会議のように立ち話で説明してくださったところによると。

フィッシャー症候群&ギランバレー症候群は、どっちも神経がおかしくなっちゃう病気。
神経は神経細胞からできているわけですが、この細胞だか細胞の中だかはマンガのホネホネのように連なっているらしく(あやふや)、で、そのホネホネ同士をつなぐ物質だかホネホネを守る物質だか(あやふや)が、そのホネホネの中だか外だか(あやふや)にあって。そんなこんなで情報を伝達し神経を守る働きをしてるわけですが。
ここに例えば風邪のウイルスだかそのウイルスを撃退した抗体(?)だかが入り込むと、それが何かに似てて置き換わるだか、それから見ると周りの物質が叩き潰すべき敵に似てるだかで(あやふや)、結果的に神経が情報を正常に伝達できなくなり、体がうまく動かなくなる、ということらしいです。
って、こんなあやふやな説明じゃ到底、「へ~~~」という目からウロコどばどばな感覚は伝わりませんね

つまりは、自分の体を守るために備わった免疫系が、自分の体を守ろうとするあまり、敵じゃないものを敵とみなし、いたって職務に忠実に、使命感に燃えて叩いてしまうという、ま、これ自体はよくある(?)症状なのかもしれませんが。
しかしこんな神経みたいな細いものをさらに分解して、もう目じゃ見えないようなレベルでも、まだ人間世界と同じようなことやってるというすごさ。
そしてそんな目に見えないところまで人間世界のように動いているってことを解明した人間の、科学のすごさ。
加えて「火の鳥・未来編」を読んだ時のような、もう自分が目玉のオヤジになったように視界が変わる(先生の説明を聞くと、神経細胞がもう1つの立派な組織みたい、神経1本なんかに至ってはすごいコングロマリットな世界に思えてきます)、その世界のすごさ。
そんな怒涛のすごさにもうひたすら「へ~~~~~~」。

セシウムがカリウムに置き換わるとか、あるいは「放射能」が生活の中にポンと入ってきたことで(私も含めて)急に敵味方に分かれて叩き合うようになるとか、ああなんか同じだなあと思って。

さてこの病気の治療法としては、大量の点滴みたいなのがまずあるそうですが(あやふや)、これは血液総とっかえみたいなもんなので、ばーちゃんにも相当負担がかかるし、もしこの病気じゃなかったらムダだし(ま違う病気だとしてもこの点滴自体に害はないそうですが)なので、もうちょっと病名確定するまで様子見てみましょうということになったのですが。

なんとばーちゃん、2週間ほど入院したらけろっと治っちゃったんですね~!特に治療・服薬もなく。
入院以来、MRIとか血液検査とか色んな検査してもまったくわからずじまいのままでしたが「ま元気になったんならいいでしょう」ということで、そのまま退院しました♪
一応、1週間たったら経過観察のため外来に来て、1週間たたなくてもおかしくなったらすぐ来て、ということだったのですが、退院後もずっと(今に至るまで)あの時のようなことはなく。ほんとなんだったんだろう??

ちなみにばーちゃんが退院する日、身支度を整えて待ちかねたように一番最初に行ったのは、1階下のじーちゃんの病室でした~
じーちゃんはとにかく寡黙な人で、自分のことでもばーちゃんのことでも「心配だ」なんてもらすことは「沽券に関わる!」とでも思ってたフシのある昭和一桁男でしたが、その実かな~~り心配してたのは数少ない言葉の端々からガシガシ伝わってきてましたし、そんな寡黙なじーちゃんの(単なる心配だけじゃなく)万感の思いを誰よりわかっていたのは、やっぱりばーちゃんだったのでしょう。。。病衣を着ている間は、決してじーちゃんの病室に行こうとしなかったばーちゃんでした。

さて1週間後。もはや懐かしい気もする先生が、相変わらず気さくな口調で、MRIした脳の断層写真を見せながら説明してくれたところによると
「もしかしたら「脳髄出血」だったのかも」
ののののーずい出血!?ただの脳内出血も怖いのにのーずい!?何それめっちゃ怖い!

なんでも入院時に撮った写真を見ると、脳のほんのちょっとした一部分が若干普通の時とちょっと形が変わってるそうで
(とはいえ素人には「そう言われればうっすらそう見えなくもないけど」程度ですが、脳写真を見慣れた専門家の目には大きな違いとして認識できるようで)
てことは、もしかしたらギランバレーとかではなく、ここから出血したのが、一連の症状の原因だったのではないかと。
そして血っていうのは、ここから体をぐる~~っと循環していくうちに、なんと自然に吸収されてしまうそうで(「へ~~~~~~」)
何の治療もせず自然治癒したのもこのためではなかろうか。ただそうだとしたら、もう血は消えてるので、今から証明することは出来ないが、と。

体を巡っていくうち、勝手に血が吸収されてしまう!?すごい!人体の神秘だわ~~~~~!!!

見えない物質1個で瀕死のテリー伊藤状態になるのも人間なら、脳髄から出血しても薬一つ飲まずケロリと治ってしまうのも人間。
そんな見えない物質までも解明できちゃったのが人間なら、それでもわからないことがまだまだいっぱいあるのが人間。わからないにも関わらず無意識に、勝手に動いたり治しちゃったりするのも人間、なんですね~。

もっとも、今こういうふうな形で書けるのは、ひとえにばーちゃんの運がよかったからですが。
そして渦中にいる時は次々変わる状況に対応するのが必死で、終わった後「運がよかったんだね~~」と、渡ってきた綱を振り返ってその細さにビックリする、みたいな感じではありますが。

運が先か法則が先か。人間(1人の体も社会も)、精密機械のようにある種の法則によって動いているのは確かですが、それをあっさりくつがえすような運もあり、そしてそれすら時には、ひとつの大きな法則のような。
大きい法則を解明するにはより細部へ細部へと降りていかなきゃいけないけど、降りていった先にはまた大きいものと同様の世界が広がっている。
これはまさに「火の鳥・未来編」の世界だなあ。

よくわからないけど、かくも世界(人間)はわからない、だから世界(人間)は面白いということで(?)
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テーマ : ひとりごと - ジャンル : 日記

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